商業施設では、「来館してもらう」だけでなく、館内のさまざまな店舗を回ってもらい、実際の買い物につなげることが重要です。

しかし、
「イベントには参加してもらえても、館内を回ってもらえない……」
「抽選会を開催しても、抽選会場だけで終わってしまう……」
といった課題もあります。

そこで活用方法のひとつとして考えられるのが、スマートフォンから参加できる「オンラインくじ」です。
館内POPや二次元コード、買い物などを参加条件と組み合わせることで、単にくじを販売するだけではなく、特定のフロアや店舗へ足を運ぶきっかけをつくることができます。

商業施設でオンラインくじを活用するポイントは、「くじを引いてもらうこと」ではなく、その前後に「移動する」「買う」「別の店舗へ行く」といった行動を設計することです。

この記事では、商業施設にオンラインくじを取り入れる方法と、回遊・購買につなげるための活用アイデアを、実際に商業施設で行われたデジタル抽選やQR施策の事例とあわせて紹介します。

商業施設とオンラインくじはなぜ相性がいい?

オンラインくじとは、スマートフォンなどから参加し、画面上で抽選結果を確認できる仕組みです。
商業施設との相性がよい理由のひとつが、参加する「場所」や「タイミング」を柔軟に設計しやすいことです。

たとえば、館内のポスターに二次元コードを設置すれば、

「ポスターを見つける」
↓
「スマートフォンで読み取る」
↓
「オンライン企画に参加する」

という流れをつくれます。

さらに、複数の場所を回る、対象店舗で買い物をする、当選したクーポンを別の店舗で利用するといった条件を組み合わせれば、オンライン上の抽選をリアルな館内行動につなげることもできます。

オンラインくじを回遊施策にする5つのアイデア

オンラインくじを商業施設で活用する場合、重要なのは「どこで参加できるか」「参加したあとに何をしてほしいか」です。
単に入口に二次元コードを置くだけでは、館内回遊にはつながりにくいため、施設内での行動まで含めて設計します。

① 館内の複数スポットに二次元コードを設置する

もっとも分かりやすい方法が、複数のフロアやエリアに二次元コードを設置する方法です。

たとえば、

1F:ファッションフロア
↓
3F:雑貨フロア
↓
5F:レストランフロア

といった形で参加スポットを分ければ、くじを楽しみながら館内を移動するきっかけをつくれます。
すべてのスポットを回る必要はなく、「場所ごとに違うくじに参加できる」といった設計も考えられます。

「館内を回ってください」とお願いするのではなく、「次のくじを引きたい」という動機の先に移動が発生する設計にすると、エンタメと回遊を組み合わせやすくなります。

② 買い物をオンラインくじへの参加条件にする

回遊だけでなく購買につなげたい場合は、対象店舗での買い物と抽選を組み合わせます。

実際の商業施設でも、
「○円以上購入すると抽選に参加できる」
「対象店舗のレシートで応募できる」
といった施策は数多く行われています。

オンライン化すれば、スマートフォン上で参加できるため、従来の抽選会とは違った参加導線をつくることができます。
ただし、購入金額や景品の設定、キャンペーンの形式によって確認すべき法令・規約などは異なるため、実施時には企画内容に応じた確認が必要です。

③ 当選特典を「館内で使えるもの」にする

オンラインくじで重要なのは、当選した瞬間だけではありません。

たとえば当選特典を、

  • 対象店舗で使えるクーポン
  • 飲食店で使える特典
  • 施設オリジナル商品
  • 地域の商品
  • イベント限定商品

などにすれば、抽選後の行動につなげる設計ができます。

特に「館内で使えるクーポン」は、

くじに参加
↓
クーポンが当たる
↓
対象店舗を探す
↓
店舗へ移動
↓
利用する

という流れをつくりやすいのが特徴です。

④ 飲食店や普段行かないフロアへの誘導に使う

商業施設では、エリアによって人の流れに差が出ることがあります。
そこで、くじの参加場所や特典を工夫して、特定エリアへの移動を促す方法も考えられます。

たとえばファッションフロアで買い物をした人に、レストランフロアで使える特典が当たる企画を実施すれば、
「買い物だけして帰る」という行動から、「せっかくなので食事もしていこう」という次の行動につながる可能性があります。

景品を「もらって終わり」にせず、「次の場所へ行く理由」にすることが、回遊施策では重要です。

⑤ 季節イベントやキャラクター企画と組み合わせる

オンラインくじは、施設全体のイベントと組み合わせる方法もあります。

たとえば、

  • 夏休み
  • ハロウィン
  • クリスマス
  • 年末年始
  • 周年イベント
  • キャラクターコラボ
  • スポーツチームとのコラボ

などです。

イベントの世界観に合わせて館内を巡る仕組みをつくれば、単なる販促キャンペーンとは違った体験として展開できます。

実際の商業施設ではどんな施策が行われている?

ここからは、実際の商業施設で行われている事例を見てみましょう。
商業施設における「デジタル抽選」「二次元コード」「購買条件」「館内回遊」などの設計を考えるうえで、参考になる他社事例として紹介します。

事例① S-PAL郡山|館内5カ所を巡るLINE抽選

S-PAL郡山では、2026年9月に「LINEで参加!『お得な秋みっけ!』」を開催。
館内に5つのチェックポイントを設置し、それぞれに掲示された二次元コードを読み込むことで、LINE上の抽選に参加できる仕組みです。

出典:S-PAL郡山「お得な秋みっけ!」掲載ページ

各チェックポイントで1人1回ずつ抽選でき、当選すると館内で利用できるクーポンが表示されて、

「館内を移動する」
↓
「二次元コードを探す」
↓
「その場で抽選する」
↓
「当選クーポンを店舗で利用する」

という一連の流れが設計されています。

今回のテーマである「商業施設×オンラインくじ×回遊」を考えるうえで、特に分かりやすい事例です。

事例② 東京ミッドタウン|購入後に店舗の二次元コードから抽選

東京ミッドタウンでは、「新春LINEお年玉キャンペーン」として、対象店舗で5,000円(税込・合算不可)以上利用すると抽選に参加できる企画を実施しました。

店舗で提示された二次元コードを読み取り、LINEから抽選に参加。当選した場合は、当選画面に表示された場所へ行き、画面を提示して賞品を受け取る仕組みです。

出典:東京ミッドタウン「新春LINEお年玉キャンペーン」

この事例で注目したいのは、

「購入」
↓
「二次元コード」
↓
「スマホ抽選」
↓
「館内で景品交換」

までがつながっている点です。

買い物を抽選参加のきっかけにしながら、デジタルとリアルを組み合わせています。

事例③ モザイクモール港北|レシートを撮影してその場で抽選

モザイクモール港北では、飲食店の利用促進を目的とした「秋のグルメチャンス!」などで、レシートを活用したデジタル抽選が導入されています。

対象店舗のレシートをスマートフォンで撮影して送信すると、その場で抽選。当選するとクーポンが表示され、すぐに利用できる仕組みです。

出典:モザイクモール港北「秋のグルメチャンス!」

「対象店舗で食事をすること」がそのまま次のデジタル体験につながっているため、飲食フロアへの誘導や購買施策を考える際の参考になります。
また、当選クーポンを施設内で利用できるため、抽選後の再購買につなげる導線もつくられています。

事例④ LECT|館内の二次元コードから抽選へ誘導

広島の商業施設LECTでは、館内に掲示された「抽選参加用二次元コード」を読み込み、公式LINEを通じて抽選に参加する企画を実施しています。

当選者には専門店で利用できる買物券の引換券がLINEで配信され、サービスカウンターで画面を提示して受け取る仕組みです。

出典:LECT PREMIUM SPECIAL 3DAYS

「現地に行かなければ参加できない」
↓
「スマホで抽選する」
↓
「当選特典を施設で受け取る」
↓
「専門店で使う」

というように、リアル来館とデジタル抽選をつなげています。

というように、施設での購買とデジタル上の抽選をつなげている点です。

オンライン抽選を単独で実施するのではなく、施設での買い物を参加条件にすることで、商業施設の購買施策と組み合わせた事例として参考になります。

事例⑤ MARK IS 福岡ももち|商業施設のレシートを抽選参加につなげる

福岡ソフトバンクホークスは2026年、MARK IS 福岡ももちなどで「エアくじ『全新PON!』」を実施しました。

1回目は会員証の提示で参加でき、2回目以降は商業施設のレシート2,000円(税込)ごとに1回参加できる仕組みです。

出典:Walker plus「福岡ソフトバンクホークス開幕直前イベント」

スポーツチームとのコラボレーションを「見るだけの展示」で終わらせず、館内での買い物を抽選参加につなげている点が参考になります。

商業施設でキャラクター、アーティスト、スポーツチームなどとのコラボイベントを行う場合にも応用しやすい考え方です。

事例⑥ ららぽーと・三井アウトレットパークなど|レシートからWeb応募

2025年には、ららぽーとや三井アウトレットパークなどを対象に「レシートジャンボ」が実施されました。

対象施設で1会計2,000円(税込)以上をキャッシュレス決済したレシートを使い、キャンペーンサイトから応募すると抽選に参加できる仕組みです。
紙のレシートを「買い物の証明」で終わらせず、スマートフォン上のキャンペーンへつなぐ接点として利用している点がポイントです。

出典:PR TIMES「『レシートジャンボ』キャンペーン」

商業施設でオンラインくじを設計するときも、「何をしたら参加できるのか」を明確にすることで、購買とオンライン施策を結びつけやすくなります。

実例から分かる商業施設のデジタル抽選の共通点

ここまでの事例を見ると、オンライン上で抽選すること自体よりも、その前後の行動が重視されていることが分かります。もちろんです。PARCOを削除すると以下です。

施策参加のきっかけ次の行動
S-PAL郡山館内QR別スポットへ回遊
東京ミッドタウン店舗で購入抽選・景品交換
モザイクモール港北レシートクーポン利用
LECT来館・館内QR買物券利用
MARK IS 福岡ももち等レシート抽選参加

つまり、「来館 → 参加」だけではなく、「来館 → 回遊・購買 → 抽選 → 再回遊・再購買」まで設計することが重要です。

商業施設で実施するならどの方法が向いている?

商業施設の課題によって、オンラインくじの設計は変わります。

目的活用アイデア
館内を回ってほしい複数スポットにQRを設置
購買につなげたい購入を参加条件にする
飲食店へ誘導したい飲食店で使える特典
特定フロアへ誘導したいその場所限定の参加導線
イベントを盛り上げたい限定商品・コラボ企画
再来館につなげたい後日利用できる特典

大切なのは、最初に「くじの内容」を考えることではありません。
「来館者にどんな行動をしてほしいのか」を決めてから、その行動の途中にオンラインくじを配置します。

▼企画するときの順番

① 商業施設の課題を決める

② 来館者にしてほしい行動を決める

③ 参加場所・参加条件を決める

④ くじの内容を決める

⑤ 当選後の行動まで設計する

PLAY ECONOMYならオンラインとリアルをつなぐ企画も

商業施設の回遊施策では、リアルな場所とスマートフォン上の体験をどうつなぐかがポイントになります。

PLAY ECONOMY(プレイエコノミー)は、スマートフォンから参加できるオンラインくじ・ガチャを活用できるサービスです。
たとえば、館内POPなどからオンライン企画へ誘導し、施設の商品やサービスなどを企画に組み込むことで、商業施設のリアルな空間とデジタル上のエンタメ体験を組み合わせることができます。

ただし、
「どこに参加導線を設置するのか」
「何を商品にするのか」
「購買とどう組み合わせるのか」
によって、同じオンラインくじでも来館者の動きは大きく変わります。

そのため、商業施設で活用する場合は「オンラインくじを導入すること」そのものではなく、施設内でどのような体験をつくりたいかから企画することが重要です。

まとめ

商業施設とオンラインくじを組み合わせる場合、重要なのは「オンラインでくじを引けること」だけではありません。

実際の商業施設でも、

  • 館内の複数地点に二次元コードを設置する
  • 購入を抽選参加の条件にする
  • レシートからオンライン抽選へ誘導する
  • 当選クーポンを館内店舗で利用できるようにする
  • アプリやLINEと組み合わせる

といったさまざまな施策が行われています。

こうした事例に共通しているのは、デジタル施策がリアルな行動と切り離されていないことです。
オンラインくじを「抽選」で終わらせず、「次のお店へ行く」「商品を見る」「買い物をする」といった行動につなげることで、商業施設ならではの回遊施策として活用できます。

PLAY ECONOMYも、商業施設とオンライン上のエンタメ体験をつなぐ選択肢のひとつです。

「どこを回ってほしいのか」「どんな商品やサービスを知ってほしいのか」「くじのあとに何をしてほしいのか」まで設計することで、単発の抽選企画とは異なる商業施設ならではの活用方法を考えることができます。

オンラインとリアルをうまく組み合わせながら、来館者が楽しみながら施設を巡り、新しい店舗や商品と出会える体験をつくっていくことが大切です。